さいちゃん、銀行辞めたってよ

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「銀行を辞めたいと思う/辞めた方がいい100の理由」のあとがきのようなもの

「銀行を辞めたいと思う/辞めた方がいい100の理由」をようやく書き終えることができた。 

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ブログを始めたての頃にこの記事を書くと公言してから4ヶ月が経っていた。これだけ時間をかけてしまったのは、私の怠惰でも勿論あるけれど、一つ理由がある。正直に言うと、書くのがとても億劫だった。それは、銀行に対する「後ろめたさ」からきていると思う。自分で書くといっておいて、今更何を言っているのかという話なんだけど。

 

転職先で感じたこと

 

私は転職してから色々なカルチャーショックを受けた。転職した当初はほんの些細なことでも全てが新鮮だった。今まで当たり前でなかったものが、当たり前にされていたことにただただ衝撃を受けた。

 

例を挙げたらキリがないけれど、たとえば「仕事中にコーヒーをデスクに置いて仕事する」みたいな、本当になんてことないようなことでも大げさだけど感動したし、休みが取りづらかった環境にずっといたので、「今日の午後から有給を取ろうと思うんですが」なんて言葉を聞いた時は度肝を抜かれた。

 

勿論、企業は無数にあって、それぞれ独自の文化があって、「当たり前」の基準なんて明確な物は存在しないし、一つの会社で正しいものが、他の会社で正しいとは限らない。先ほどのコーヒーの例で言えば、銀行は現金や小切手、手形等の大切な物を預かるため、机の上に飲み物を置いて誤まってそれらにこぼしたりすると大変なことになるので置かないのが基本だ。

 

こういう本当に些細なことでも、銀行で一生働いているとわからなかったり気づかなかったりするのかもしれないだろうなと思った。ずっと働いていると感覚が麻痺してしまうから。

 

銀行への感謝の思い

 

ただ、銀行からは多くのことを学ばせてもらった。いつか前にも書いたと思うけれど、銀行で働いていたからこそ金融知識や社会マナーはかなり身についた。確かに変わった人も多い業界ではあったけれど、優しく気がきいた先輩もたくさんいたし、向上心が高くて努力する同期たちも多くいた。そんな人たちと一緒に働けたことは私の財産だった。だから銀行にはとてもお世話になったし、こんなことを言うと意外に思われるかもしれないが、私は銀行には感謝している。これは本当に。

 

(以前この記事にも書きましたね)

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銀行で働いていた時の私は、向上心が高くて、負けず嫌いで、誰よりも勉強して資格を取っていたし、主要目標はほとんど超過達成していた。自分はどちらかというと大人しいほうで別に営業向きの性格ではないと思っているのだけれど、何故かお客さんの前だと明朗快活に話をすることができた。仕事になるとスイッチが入って別人格になっているような感覚を覚えた。

 

だけどずっと私の中では、この仕事が自分の本当にやりたいことではないとわかっていた。いつか行動に移さなければならないとわかっていた。その一方で銀行の仕事は苦しくはあれど楽しいとも思っていたし、このまま銀行に残って上を目指すのも悪くはないんじゃないかとも思った。仕事を努力した結果、本店に異動させてもらった時は嬉しかったのも本当。

 

将来を見据えて

 

でもやっぱり見るべきは足元じゃなくて、未来だと思う。上を目指すのはいいけれど、その支店長になって何がしたいとか、本部に行って何がしたいとか、そんなビジョンがどうしても見えなかった。だから結果としてやりたいと思っていた経理と言う職に転職することにした。

 

話を元に戻すけれど、私が「銀行を辞めたいと思う/辞めた方がいい100の理由」を書くのをためらっていたのは、銀行に対する「感謝の思い」からだ。5年間給料をもらいながら育ててもらったのは間違いない。子が親を裏切るなんて、そこまで大げさではないにしろ、やはり何か後ろめたい気持ちも拭えなかった。

 

でも最終的には書くことにした。早くその記事を見たいという声も多く聞いたし、書くと決めた以上自分でも書きたいと思った。ただ性格上面白く読んでもらうことを意識しすぎてしまった感はあるが。

 

勘違いしてほしくはないのだけれど、私は銀行から転職したほうが絶対にいいというスタンスではない。銀行の仕事が合っていると思う人や、仕事が面白くて、このまま競争の世界で上に上がっていきたいって人も絶対にいると思う。そういう人が「銀行を辞めたいと思う/辞めた方がいい100の理由」の記事を読んだら不快に感じるだろうし、私も銀行でギラギラしていた頃に自分の記事を読んでいたらイラッとしたかもしれない。

 

ただ勿論そうじゃない人もいる。銀行の仕事が合わないと思う人、他にやりたい仕事がある人、銀行のここがおかしいと思う人、早く辞めたいと思っている人、たくさんいると思う。そんな人が100の理由の記事を読んだら面白くてしょうがなかったんじゃないかな。

 

最後に

 

誰にだって向き不向きがある。一度立ち止まって、このままでいいのかって考えてみるのも大事。100の理由は、銀行にいた時に感じていた違和感を言葉にしただけ。それが本当に辞める理由になる人もいるとは思うけれど、それはそれで正しい選択だとも思う。銀行には人間関係や仕事のストレスで辛くて辛くてどうしようもない人も必ずいる。辛いことや逆境に対して、立ち向かうことや耐えることが必ずしも正解とは限らない。前だけ見なくても、横を見れば、後ろを振り返れば、道はいくらでもある。

 

私は転職して心から良かったと思ってる。それはやりたかった仕事が実際にやはり自分に合っていると思うからだし、今の会社の雰囲気もとてもいいから、運が良かったというのもあるかもしれないけれど、転職に踏み出さなかったら今の心のゆとりはないと思う。代償に競争心は失ってしまったけれど。

 

「銀行を辞めたいと思う/辞めた方がいい100の理由」の記事は、今銀行で働いていてこのままでいいのかって思う人が、改めて立ち止まって考えるきっかけになるものになってくれればいいと思ってる。それをそのまま鵜呑みにする必要はないけれど、自分の人生の立ち位置を周りに流されず冷静に判断してみるのもいいんじゃないだろうか。

 

一度立ち止まって、それからどうするのかは自分次第。そのまま突き進むのか、或いは別の道を模索するのか、自分の心に尋ねてみて、後悔しないような選択をしてほしい。

 

(fin)