さいちゃん、銀行辞めたってよ

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高校の同級生が逮捕された件で取材の申込みメールがきていた

 夜分遅くに突然のメッセージで失礼いたします。

「●●●●」という番組を制作しております■■と申します。

 

現在番組では、A県警に▲▲容疑で逮捕された××容疑者についての取材をしております。そこでB高校で同級生だった方々に××容疑者のことについてのお話をお伺いしたいと思っており、ご連絡させていただきました。

 

よろしければ、お忙しい中恐縮ですが一度ご返信いただければ幸いです。

 

 

突然のメッセージで失礼いたしました。

 

 

 

という内容のメッセージが届いていて、私は今日それを見た。実はこの事件は何年か前のもので、なぜ今になって取材などするのだろうと不思議に思ったところメッセージの日付がだいぶ前のものだった。

 

私はそのメッセージアプリを全く使っていなかったので、今日まで気づかなかったのである。たまたま別の人からメッセージが来た通知でそれに気づいたという間抜けな話だ。

 

当時、この事件は全国ニュースでも取り上げられたし「Mr.サンデー」でも特集が組まれた。私の通っていた学校は進学校で、同級生には東大に行った者もいてそれなりに学業に力を入れているといってもいい学校であるだけに、容疑者と少しでも関わったことのある人間は誰もが驚いた。

 

私はその人物と高校一年の時に同じクラスだった。元気がよくムードメーカーのような存在で、誰とでも活発に仲良く話すような人だった。私は特別に仲が良かったわけではないが、クラスメイトとしてそれなりに話もしていたので事件のことを知って衝撃を受けた。

 

その容疑者は国立の法学部を出ていて、全国的に有名な企業で働いていたことまでは風の噂で聞いていたが、なぜそのような事件を起こすことになったのか、その経緯は知る由もない。

 

もう何年も前の話なので今更になって蒸し返すつもりはないし、事件の詳細をここで話すつもりもない。だが当時は、やはり同級生たちを震撼させた。犯罪のニュースなど毎日毎日見ているのに、身近な誰かが被害者になったり、ましてや加害者になることなど考えてもみなかったからだ。

 

一つだけ言っておきたいが、その事件は物理的に人を傷つけるような類のものではない。少し話が逸れるが、私はそういった犯罪が一番許せない。

「誰でも良かった」や「むしゃくしゃしていたから」といった理由で見ず知らずの人を殺めたりする人間の行動が理解できないし(無論理解したくもないけれど)、ただただ許せない。よくものうのうとそんな言葉が吐けるものだなと思う。

 

先日テレビで幼い子供が刺されて亡くなった事件の判決がニュースで報道されていて、それを見ながら妻に「もし自分の子供が見ず知らずの人間に刺されて死んだりしたら、刺したそいつを僕は○しにいくかもしれないな、復讐が悪いことだとわかっていたとしても」と言ったところ、妻は「何言ってんの?○すに決まってるじゃない」と真顔で言っていた。

 

それを聞いた私は、ふと嬉しくなったのを覚えている。そして「そうだよな」と思った。過激なことかもしれないが、我が子が見ず知らずの人間から被害を受けたら、何があっても許せないだろう。復讐は良くないなどといったことは、被害者にとってはただの綺麗ごとにしか聞こえない。それでも自分の気持ちを抑えることの出来る人間は、立派だとは思うが。

 

話が逸れてしまったけれど、今回の話であった高校の同級生は、そういった類の物理的な殺傷犯罪ではない。少なくとも、被害にあった者がそこまでの感情に苛まれることはないだろう。

 

だからといって別にその人物を擁護したいわけでもない。犯罪は、たとえ小さなものでもやはり許されないものだと思う。復習にしたって頭では良くないことだとわかっている。

 

なんというか、犯罪者の心理というものはまったくもって私には理解できない。私などはどちらかといえば人に好かれたいし、良い人だと思われたい。犯罪を犯すことで家族に迷惑をかけたくない。たとえばそれが家族のためを思ってだったとしても。

昔東野圭吾の「手紙」という小説を読んだけれど、弟の学費のために強盗殺人をしてして逮捕された兄と残された弟の人生はそれは悲惨なものだった。小説と現実は違うだろうが、おそらくそういった犯罪についてかなり詳しく取材して書いているのだろう、相当にリアルだった。

 

話を元に戻すけれど、当時の事件から数年経った今、私は逮捕された人物の現在を知らない。風の噂で文字通り「別人」として生きているということも聞いたけれど、詳しくはわからない。願わくば、改心して罪を償って生きていってもらいたいとは思うが。同級生としてかけられる言葉はないけれど、それくらいは、せめて。

 

(fin)