さいちゃん、銀行辞めたってよ

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映画デートにはろくな思い出がないので、敗北だらけの悲しい過去を列挙していく。

「映画デート」に憧れを抱いたことのある人は多いのではなかろうか。むしろ憧れを抱かずにはいられないと個人的には思っている。映画は日常とかけ離れた世界にいつも誘ってくれるし、デートにはありったけの夢が詰まっている。その二つが掛け合わされた「映画デート」。「映画×デート」。この掛け算には希望に満ちた無限大という答えしか導き出せない。

 

映画×デート=∞

 

これはかつての僕にとって、三平方の定理よりも確からしい定理だった。

 

映画館の薄暗闇の中、目の前のスクリーンには非日常の世界。隣には気になる女の子。心臓は高鳴り、心拍数は上昇。映画は気になるけれど、それ以上に隣の女の子の方が気になる。手を伸ばせば触れる距離に君はいる。この胸の高鳴りは映画がクライマックスを迎えているからなのか、それとも隣に君がいるからなのか。この映画が終わったら二人でカフェに行って感想を語り合おう。そしてそれから...。

 

そんな妄想を繰り広げることのできる憧れのデート、それが映画デートだ。僕も漏れなく憧れを抱いていた。確かに抱いていた。間違いなく、確実に。

 

だけど憧れと現実は往々にして事を異にするものだ。僕は幼い頃から憧れていた映画デートを、これまでの人生で数度現実にしてきたけれど、それは夢や妄想とはかけ離れた類のものだった。記憶が曖昧なものもあるけれど、僕が覚えている限り、今日はささやかながら僕の映画デートを観てきた映画とともに語ろうと思う。

 

僕は基本的に映画は一人で観にいくし、学生の頃狂ったようにレイトショーを毎日観にいっていた時は洋画ばかり見ていたけれど、誰かと観にいく時は当時話題になっている邦画などのほうが多かったかもしれない。

 

目次

 

恋空

  

恋空

恋空

 

 

僕は覚えている。女の子と二人で最初に見た映画は「恋空」だった。 当時ケータイ小説から爆発的な人気を果たした「恋空」。

ー妊娠・流産・レイプ・別れ・死ー

事実を元にしたフィクションということだったが、なかなかに生々しく、当時の僕らにはそれを迎え入れるだけの度量は持ち合わせていなかった。映画終わりに微妙な空気になった。正直あらすじ知らないまま観たことをけっこう後悔した。新垣結衣、三浦春馬、波瑠...等々、キャストは豪華だったけれど。

 

その女の子とそれから映画を観にいくことは二度と無かった。

僕は悟った。ただ映画を観にいくだけじゃ駄目なんだと。その先に発展するには、映画を見終わったあとのトーク力や包容力も、必要なのだということを。

※但しイケメンはその限りではない。

 

ドロップ

 

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ドロップ。芸人品川が書き、脚本、監督も務めただけあってコメディ感満載だった。

僕はこの映画を一度観ていたのだけれど、女の子から映画に誘われる奇跡が起きたため観にいったらこれだった。正直映画自体は面白い。笑う。だが二回目はさすがにあんまり笑えない。僕は気を使って観たことを彼女に話さなかった。女の子は楽しそうにしていた。だが僕は微妙な空気。正直温度差を感じずにはいられなかった。僕も、そしてきっと、彼女も。

 

僕は悟った。一度観た事は気を使わずに話すべきだったと。そして二度目はさすがに一度目ほどのリアクションは取れないのだと。映画のリアクションには新鮮さも不可欠なのだと。そしてあわよくば、一度観た映画をもう一度観る際、初めて観た時の様な演技力も持ち合わせておくべきなのだと

 

余命一ヶ月の花嫁

 

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前回の映画デートが微妙に終わったにも関わらず、その女の子からまた誘ってもらう奇跡が起きた。天変地異だ。そして観た映画がこれだ。

 

24歳の若い女性が末期の乳がんに冒され、余命一ヶ月を宣告される話。こんなに悲しいことはない。だが見終わった後、またもや微妙な空気になった。切ないストーリーを見た後、僕は黙ってしまう。何も話せなくなってしまう。僕はこの頃から自分という人間が少しずつだがわかるようになっていた。

 

僕は悟った。僕は映画を観終わった後、一人で感傷に浸りたいのだと。言葉はいらない。ただ黙って一人で物思いに耽っていたかったのだと。だから僕は、一人で映画を観るのが好きなんだと。

 

映画後、言葉を一切発さなくなった僕と、彼女がまた映画を観る日は二度とやってこなかったことは、勿論言うまでもない。

 

素敵な金縛り

 

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この映画は主演が深津絵里と西田敏行。これは女友達と観にいった。微妙に日中に時間が空いたので映画でも観にいくことにしたのがこれだ。

 

僕は深津絵里が好きだし、内容もとても面白かった。客席にも笑いが起きていた。だけど隣を見れば彼女はすやすやと寝ていた。映画を観る前、「私どんな映画観ても絶対寝てしまうのよね~」と危惧していたけれど、その言葉に違わずしっかりと寝ていた。

 

僕はそれでかまわなかった。

むしろ、これが映画デートの理想なのではないかと思ったくらいだ。

 

彼女は寝ていたから、当然内容はあまり覚えてなかったし、気にもしてなかった。僕は映画後はあまり語りたがらない性格だ。その関係が絶妙にマッチしていた。これから映画はこの子と観にいこうと思った。でも残念ながらそれから一緒に観にいく機会はなかった。寝るとわかっている映画をわざわざ観にいくほど彼女も暇ではなかったのだ。

 

告白

 

告白

告白

 

 

本屋大賞を受賞した湊かなえの作品。小説は異常に面白くて一気に読んでしまった。

当時、僕は「女の子を後ろに乗せて走りたい」という邪な思いだけで中型バイクの免許を取得、バイト代で購入したバイクを手にしてブンブン言わせていて、バイト先の後輩を誘って観にいったことがある。たぶん映画が観たいというより、映画を口実にしてバイクの後ろに女の子を乗っけて走りたかっただけだ。

 

僕はこの映画の放映時期が終わる間際に観に行った。観客は僕らしかいなかった。マジか、と思った。薄暗闇、エロい、そう思った。

 

だが僕が描いた妄想がものの見事に察知されたのか、彼女は、僕と一席空けて座ったのだ。嘘だろ?そんな事ある??初めての経験だった。僕は少なからず傷ついた。

 

僕は悟った。妄想は辞めようって。

 

STAND BY ME ドラえもん

 

STAND BY ME ドラえもん

STAND BY ME ドラえもん

 

 

超名作。秦基博の「ひまわりの約束」も超名曲。絶対に観たほうがいい。

一緒に観にいった人のことは今でもちゃんと覚えてる。夏の花火も一緒に見に行ったね。かわいい女性だった。だけどなぜだろう、会話があまり盛り上がらなかった。たぶんだけど、大いに僕に原因があったと思う。

 

映画は何度でも言うけど超名作です。非の打ち所がない。でもやっぱり僕は名作を観た後は基本的に話せなくなるみたい。クソつまらない映画だったら語れるのだろうか。

 

ゼロ・グラビティ

 

 

宇宙の物語。これはこのブログにもたびたび登場している僕の愛すべきソウルメイト(現在ドイツ在住)と観にいった。彼女ほど僕と気の合う人はいない。ある意味では妻よりも。

 

だから珍しく、というよりおそらく初めて、映画後に映画の話をしっかりできたのも彼女だけ。普段は映画を観たら一人で黙っていたい僕なのだけど、彼女とは違った。この感覚は説明が難しい。映画がとても良かったのもあると思う。登場人物はたったの二人。心臓がはちきれんばかりの衝撃の数々。おすすめ。

 

そして僕は思った。ソウルを差し引いても、もしかして大迫力の洋画とかだったのならいけたのかもしれない。

 

最後に

 

まぁ、思いついたのを列挙したけどこんなところだろうか。他にもあると思うのだけれど、タイトルが思い出せなかったり、あまりここに載せたくない様な思い出もあって、これくらいにしておきたい。例えばベイマックスとかは危ない。

 

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僕は彼を見ると当時一緒に行った人との大失恋の過去を思い出してしまう。心が苦しくなる。ベイマックスに罪は無い。あんなにかわいい見た目をしているのに、僕は彼をもう直視することはできない。

 

悲しいことに、僕は映画デートに向いていない人種だった(ゼログラビティを除けば。まぁデートというわけでもないのだけれど)。

 

あれだけ憧れを抱いていた夢だったのに。

 

「映画×デート=∞」

 

この定理は正弦定理よりも余弦定理よりも定理らしい定理で、夢と希望と愛に満ちた定理だと思っていた。それを将来自分自身で証明できると思っていた。だけど僕にはできなかった。

 

でも、きっと、映画デートが甘酸っぱい幸せな思い出に満ちた人たちもいるのだろう。僕はそういう人たちには純粋に幸せになってほしいと思う。僕の果たせなかった夢を、そのまま実現させていってほしいと願う。

 

僕が昔描いたたった一つの定理なんだ。誰かの心の中で、それを証明してくれる人がいることを、ただ願わせておくれよ。

 

(fin)

 

※ちなみに妻とは結婚前一度たりとも映画観にいきませんでした。