さいちゃん、銀行辞めたってよ

元銀行員。転職 音楽 読書 日記 etc.

MENU

【スルガ銀行】第三者委員会調査報告書での銀行員のリアルな声があまりにも凄惨な内容だった

スルガ銀行がHPで公表している第三者委員会調査報告書は読まれただろうか。

テレビはもっぱらテニス全米オープンの話題で持ちきりだったので、スルガ銀行の件は目に付かなかった人もいたかもしれない。

※スルガ銀行は静岡に本店を置く地方銀行

 

お知らせ|スルガ銀行

 

この報告書は、2018年1月に株式会社スマートデイズがシェアハウスオーナーに対する賃料支払を中止したことに端を発するシェアハウス関連融資問題についてなのだが、338ページに渡る報告書なのでそもそも読むのに膨大な時間がかかる。

 

要所を切り取ってかなり簡単に説明するとこうなる。

 

要約

 

①営業目標は現場の声を聴取しないトップダウン方式でかなり厳しいノルマが課せられていた。

 

②営業のプレッシャー、激詰めから逃れるため、審査資料偽造などの不正が蔓延、黙認、長期化(コンプライアンスの著しい欠如)

 

執行役員や営業店長からの圧力により審査部門が機能せず、融資回収困難な案件が膨大に発生。

 

④収益不動産ローン全般で多額の貸倒引当金(推計720億円)を計上。

 

①のかなり厳しいノルマに関して、報告書では「釣り掘に魚が10匹いないのに10匹取ってこいと言われる状況」と書かれていた。ノルマに追い詰められた行員は審査資料を偽造し、いつしかそれが企業内部で当たり前の状態になり長期化し、止める者がいないどころか実質のトップ(元専務執行役員)が審査を押し通していた。

 

営業成果をあげるためなら手段を選ばない状態であり、それを上が黙認するどころか直接関与するという銀行全体が壊滅的状況だったのだ。

 

さて、報告書には行員の生の声が記載されていた。一般的に見るとどれも凄惨な内容だったのだが、特に気になったものを抜粋する。

 

スルガ銀行・現場の生の声

 

 ・ 新規以外の条件変更稟議や法人稟議を作成していると恫喝されるできないと業務終了後母店へ通い、できるまで夜遅くまで電話セールスさせられる。


・営業店所属長との会話の中で、営業担当社員の人数に対し過大な目標を割り当てられていることを聞いた。審査結果が否決、減額の回答に対し、営業店が一度で納得することが少なく、再申請されるケースが多い。それだけ営業数字のプレッシャーがかかっていると感じた。


もともとの目標自体が非現実的な数字になっているにもかかわらず週刻みのラップ目標に達成していないと、毎日のように追いかけられ会議では罵倒されるから。(支店目標を達成するために好意にしていただいてるお客様にお願いで借り入れしてもらい、翌月にはすぐ繰り上げ返済するようなチョイ貸しが月末や期末には横行し達成しているような目標)


・目標値が高すぎる。できないことを叱責される。首都圏では出来ているのに静岡でできないのはおかしい。と地域差を無視した数字を挙げてくる。


毎月、月末近くになってノルマが出来ていないと応接室に呼び出されて(バカヤロー)と、机を蹴ったり、テーブルを叩いたり、1 時間、2 時間と永遠に続く。給料返せなどと、怒鳴られる。こうゆう、本部長や支店長、センター長は 1 人 2 人ではない。知っている限りでは全体の半分ぐらいそうだ。数字で怒鳴ったりしない支店長は、珍しく社員の中で噂が流れるほどだ。ノルマが出来ないと夜の 10 時過ぎても帰れない。残業代など支払われるはずがない。


 

過度な営業目標があり、目標は必達であり、達成出来ていない社員には恫喝してもよいという文化があります営業活動についてはマネージャークラスであっても行動記録票の提出を求められ、訪問件数・架電件数・申請件数をもとにまた叱責があります。毎日これを繰り返しであり、精神的に追い詰められていました。
 

7%超の無担保ローンを月に 10 億実行しろ、との目標は過大であると思いませんか?

  

「なぜできないんだ、案件を取れるまで帰ってくるな」といわれる。首を掴まれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った


・最も印象に残っているのは営業会議の場で案件がないことを理由に「今から営業してこい」と追い出されたことです。

数字ができないなら、ビルから飛び降りろといわれた。


センター長より営業成績が上がらないことに対し、「銀行の収益の足を引っ張る社員」、「去れ」「お前に給与を支払うのが勿体無い」、「大した営業成績も上げずに時間外ばかりつけやがって」など厳しく叱責されました。


・ほぼ毎日 30 分以上説教される。


上司に呼ばれ個室で 2 人になり叱責を受けた。他の社員の前でも叱責を受けた。「なぜできないのか?」「それで?それで?だから?」「銀行員なんてやめちまえ」「できないくせに偉そう」等パワハラだと感じていた。


・担当しているチームの目標数字に対し進捗が不調であったとき、チーム全体を前に立たせ、できない理由を言わされた。時間は 2 時間以上にのぼり支店の社員の前で給与額を言われそれに見合っていない旨の指摘を受け、週末に自身の進退(退職)を考え報告を求められた。


・ 上司からではなく、一部幹部から叱責された。毎週1回のペースで行なう会議では、無担保ローン1 件 5,000 千円以上の案件を上程することが必須で、営業本部の幹部が参加して、案件を上程できなかった回が続いてしまうと厳しく叱責された。当時の部署の上司は、幹部にさらに強く叱責されていた。


毎日 2~3 時間立たされて詰められる、怒鳴り散らされる、椅子を蹴られる、天然パーマを怒られる、1 ヶ月間無視され続ける等々

 

かなり昔ではあるが「死ね」「給料どろぼう」「出来るまで帰ってくるな」などは平気で言われた

 

休み前金曜日に、「月曜までに案件とってこい」などの指示


・持っていった稟議書を破られて投げつけられる。


・毎日、毎日、怒鳴り続けられ昼食も 2 週間ぐらい全然、行かせてもらえず夜も 11 時過ぎまで仕事をさせられ体調が悪くなり、夜、眠れなくなって、うつ病になり銀行を 1 年 8 ヶ月休職した


目標が達成できなかった時に、支店長席の前に1時間以上立たされて叱責を受けた。支店長が激高し、ゴミ箱を蹴り上げたり、空のカフェ飲料のカップを投げつけられたことがある。


徹底的に目標数字ができない理由を追及された。死んでも頑張りますに対し、それなら死んでみろと叱責された

 


融資実績が上がらない人は口なし(意見をしてはいけない)雰囲気。目標に対して達成率が低いとどうするんだと椅子を蹴られ、机を叩かれ、恫喝されながら育った。当時は数字があがらないならば休日はなしという雰囲気。数字があがらないならば、時間外請求するな。融資実績があがらないならば、会社に給与返せ。いつまで会社から定額自動送金してもらっているんだというモラルの欠片もない会社だった。


フリーローンの営業目標未達成時に、未達であるなら現在交渉中の顧客に余分に借りてもらうよう依頼し、実行後すぐに繰上返済するよう言えと言われた。


・毎日ローンのノンストップ運動をやっており、途切れたり、数字ができなかった場合に、ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、お前の家族皆殺しにしてやるといわれた。上司を目の前で土下座させて謝罪させた。いすの背面をキックされた

 

 

さて、ここまで読んであなたはどのような感想を抱いただろうか。

暴力団の事務所の間違いではないかと思っただろうか。いいや、これは間違いなく銀行の話である。

 

最後に

 

抜粋した意見・感想はほんの一部に過ぎない。まだ見てみたい人は直接報告書を見てみるといい。スルガ銀行の内部で起きていたことがよくわかる内容になっている。

 

だがこれはスルガ銀行だけの問題ではない。程度はここまでではないにしろ、銀行ではこのような叱責・激詰めは当たり前に起きている(スルガ銀行のように審査資料偽造や審査部が機能しないというのはかなり異常な状態だが)。

 

あるいは銀行だけの問題ではない。もしかしたら自分の会社にも似た部分があると感じた人もいるのではないだろうか。営業現場の実態を把握していない企業は足元から崩れていってしまう。一度立ち止まって考え直さなければいけない企業も少なくないのかもしれない。

 

(fin)

 

関連記事>>>

www.saichanblog.com