ブログを始めた頃に書いた投資記事(投資記事と書くには死にたくなるほどの内容だが)にも書いたことだが、実はまだブログを始めたことを妻に話していない。ある日突然夜な夜なPCをカタカタし始めた私のことを妻が怪しんでいるのは間違いない。
だが断じて言える。これから先ブログを続けていくに当たって、本当は絶対に話しておいた方がいい。今まで私が言えなかったのは、内緒で買った投信が暴落していた記事を妻に見られては何をされるかわからないと思ったからだ。
現在風呂掃除と水曜と日曜のゴミ出しを引き受けていることにより他の家事を逃れている私であるが、「機密投信暴落事件」がバレてしまっては先ほどの家事に加えて皿洗い、掃除、洗濯、果ては晩飯の準備までさせられることは目に見えている。
バレないために、これまで私は数々の隠蔽工作を施してきた
記事を書く時でもそうだ。普通は自分のブログをブックマークしておくとすぐにブログが開けるのだが、それはできない。私が仕事に行っている間に妻に見られてしまう危険が高いからだ。もちろんはてなブログへのログイン状態も解除しておかなくてはならない。
だから私は今まで自分のブログをいちいち前のタイトルの「seven's room」と検索してログインしていた。「seven's room」、検索しづらいといったらこの上ない。つい先日ブログのタイトルを「さいちゃん、銀行辞めたってよ」に変更し、その際読者の皆さんが検索しづらいからという理由も書いたが、実は自分が検索しやすくするためだった。あたかも善人ぶってしまったことに対し懺悔の気持ちでいっぱいだ。
最後に自分が検索した履歴を全て消去する作業も、怠ってはならない。一つの油断が命取りになることを私は知っている。「慢心は死を招く、肝に銘じておけ!」と昔ある友人に言われたことがある。
しかしこんな苦労も通帳を見られては全てが終わる。だから私は通帳を、本棚の妻が絶対に読まないであろう銀行業務検定法務2級と財務2級のテキストの間にうまいこと隠し、「通帳は大事なものだから銀行の貸金庫に預けている」と妻には大嘘をついている。銀行の貸金庫などそうやすやすと借りれるものではないのだが、そんな事情を一般人の妻が知る由はない。
私の隠蔽工作は完璧だが、妻はまだ疑っているようだ。
最初の方は露骨に「最近怪しいんだけど」と怪訝な顔をして聞いてきていた妻であるが、頑なに何をしているかぼかし続けている私に対し、最近は別の話題を振りながらPCの前に座っている私に近づき、後ろから画面を覗き込み何をしているか探ろうとする作戦へと方針転換してきた。だがそうはさせない。
私はブログを立ち上げると同時に、アクセスを解析するグーグルアナリティクスのページを立ち上げ、妻が近づく気配があればすぐさまそのページに切り替える。数値をグラフ化させたページが映っているので、パッと見では何のグラフかわからない。
「今日の起業費と事務用品費が○○円だったから、今週の見通しは●●円になりそうだな。今月はさすがに経費を抑えていかないとな」などと、適当すぎることを独り言のように呟いては現在の経理の仕事を家でやっている風を装っている。
ページをすぐさま切り替えるには針の穴に糸を通すような集中力が必要だ。ポイントは妻が後ろから近づく気配や音を察知すること。私の耳はもはや耳についていない。背中についている。正直に言おう。私が記事を書く時、その集中力はPCの画面には2%しか注いでいない。背中に98%注いでいる。いつも適当風な記事を書いているのはこれが原因だ。
私の懸命な施策により、何とかブログを書いていることがバレずにやってこれたが、ついにその隠す原因となっていた投資信託が先日プラスに転じた。3月25日時点ではおよそマイナス9万円となるまで下がっていて絶望を感じたが、5月11日(金)時点で21,650円のプラスである。
現在の日経平均株価は22,700円程だが、これが今年の高値である24,000円付近まで上昇したら投信を売却して利益を確定させるつもりだ。私の投信が無事プラスで利益を確定したその日には、ブログを書いていることを妻に打ち明けよう。
だがまだ株価も上がり続けるとは限らない。また下がることも想定される。
油断は禁物だ。友人の言葉が蘇る。
慢心は死を招くのだから。
(fin)